佐賀県鳥栖市 総務部 情報管理課 情報化推進係 田中大介 様
佐賀県の東端に位置する人口6万4千人余りの都市、鳥栖市は、九州の起点都市として今なお発展を続けている。九州の物流拠点として変化し続ける鳥栖市にとって、総合的なGISの整備は必須であった。
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人口:67,812人(2010年2月末現在) |
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佐賀県の東端に位置し、北は脊振山地を隔てて福岡平野、南は筑後川をはさんで久留米市に隣接する鳥栖市は、昭和29年4月、鳥栖町、田代町、基里村、麓村、旭村の2町3村が合併して発足。多くの企業や工場が進出しており、県内一の工業製品等出荷額を誇る内陸工業都市である。現在は、モノだけでなくヒトが交流する人間交流都市を目指し、様々な大規模プロジェクトが進行中である。
鳥栖市は、九州、長崎、大分自動車道が接続する「鳥栖ジャンクション」があること、JR鹿児島本線、長崎本線が鳥栖駅で分岐すること、さらに九州新幹線新鳥栖駅開業を控えていたことなどから、地図データを一元的に管理、維持する必要性に迫られていた。
そこで、2003年から統合型GISシステムの導入について検討を開始。翌年2004年、業務改善に向けた取り組みの一環として、個別GISへの対応などを課題にあげ、各部署を代表する職員で構成されたワーキンググループを設置した。2005年、システムを選定し、開発を委託した。
| 地図データの整備(個別GISシステムから) | |||
|---|---|---|---|
| 地図の名称 | 地図精度 | データ形式 | GIS |
| 地籍集成図 | 1/500 | SIMA形式 | Geobase |
| 航空写真 | 1/1000 | TIFF形式 | Geobase |
| 道路台帳 | 1/1000 | Shape形式 | PASCAL |
| 水道管網図 | 1/1000 | DXF形式 | MAPLET |
| 地図データの整備(新規図化) | ||
|---|---|---|
| 地図の名称 | 地図精度 | 整備手法 |
| 都市計画図 (総括図・白図) | 1/15000 1/10000 1/2500 | DMデータ(道路台帳総括図)及びマイラー原図、航空三角点測量データ及び固定資産航空撮影データ(17年1月撮影)を活用し、測量法に基づく公共測量作業規程に基づきDM化を行い、国土地理院認証を受ける。この場合、道路台帳DMデータ(1/1000)を基本に、道路沿線については1/1000の測量精度を確保する。 |
| 住宅地図 | 1/1000 | 電子版ゼンリン地図を購入する。毎年更新する。 |
| 国土地理院地図 | 国土地理院数値地図2500、25000、標高データを購入する。 | |
| システム名称 | 概要 |
|---|---|
| 統合型GISシステム | Webベースで動作するクライアントサイドのアプリケーション。ユーザー側の統合型GIS本体。 |
| 職員情報管理システム | 部署・ユーザーの管理、操作権限など。 【管理端末でのみ操作可能】 |
| 目標物管理システム | 目標物(地物等)の管理を行う。 【管理端末でのみ操作可能】 |
| 図面管理システム | 統合型GISシステムへ登録する地図の管理など。 【管理端末でのみ操作可能】 |
| SIS Map Modeller | 個別GISからのデータ移行や操作など。 【管理端末でのみ操作可能】 |
プロポーザル方式により段階的にシステム選定を行った結果、既存のシステム、アプリケーション、個別GISやオフィスアプリケーション「Microsoft Excel」とスムーズに連携できる点から、SISを導入することに決定した。
また、各課で管理する住所データをGIS上に反映させる(取り込む)うえで、住所表現の「ゆらぎ」を判断し、的確なマッチングが行えることも決定要因の1つであった。
さらには、鳥栖市における統合型GIS導入の基本的な方針として、高度化する地図業務の改善と、地図業務に関する潜在的なニーズの喚起という2つの狙いがあった。そのため、地理情報システムに馴染みがない部署の職員にも使いやすいシステムであることが重要だったが、その点でもSISは条件を満たしていた。
システムは、直感的なインタフェースと親しみやすい画面構成で、街路灯マップ、ゴミ収集所マップ、国勢調査、文化財包蔵地マップなどが搭載されており、地番検索等が簡単に行えるようになっている。
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鳥栖市統合型GISポータル画面 |
鳥栖市統合型GIS地図画面 |
鳥栖市役所はそれほど大規模な組織ではないため、庁内での情報の相互利用において特に大きな壁はなく、地図の相互利用に関しても比較的順調にいっている。
更新は個別GISを管理している部署が行っているため、更新のタイミングは異なる。いつ更新するのがベストで、他の部署にとっていいことかどうか、できるだけ最新で正確な情報が取れる時期を個別GISごとに判断し、更新時期を決定している
庁内には地図を使った業務が多くある。なかでも、住所で管理する多数の一覧表などを紙地図上に手書きし管理していたが、地図更新時の転記作業がままならず、情報が更新されないまま古い地図を使い続ける原因となっていた。システムの導入により、そういった手書きによる転記作業が削減され、情報の可用性が増した。
上記のほか、以下のような導入効果があった。
| ・ | 航空写真から形成される高精度DSMと三次元オルソを活用し、GISの更なる活用と業務改善を図る。 |
| ・ | 空間データ(基盤地図)を職務の中で更新する仕組みを作る。 |
| ・ | 誰もがGISを操作し、空間情報を整備、編集できる環境を整える。 |
| ・ | 地図を使った管理、分析、資料整理を業務になじませ活用する。 |
| ・ | それらを統括管理し、指導できる人材集団を育成する。 |