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国内導入事例 尾瀬林業株式会社 様

尾瀬林業株式会社 自然公園生態系の保全管理にGISを有効活用

尾瀬林業株式会社
環境緑化部 営業・技術開発グループ 主任
鈴木健裕様

「環境」を事業の柱とし、「自然環境のリーディングカンパニー」を目指す尾瀬林業は、事業ノウハウを活かし、自然環境管理/緑地管理にGISを有効活用。自然生態系の保全管理にシステムを役立てている。

尾瀬林業(株) 鈴木健裕氏

尾瀬林業(株) 社屋

 

【尾瀬林業株式会社プロフィール】

尾瀬林業(株)は、1951年2月、東京電力(株)の100%子会社として、尾瀬地区の水源かん養林の管理・育成を目的に設立された。以来、尾瀬・裏磐梯地区における自然環境の保護をはじめ、木道敷設、山小屋経営、休憩所開設などの探勝サービス、東京電力保有の土地管理などを中心に事業を拡大。近年では、園芸商品やミネラルウォーターなど生活環境に密着した商品販売、バイオ技術を活用した土壌改良、自然生態系管理向けのGIS(地理情報システム)ソフトウェアの開発・販売といった新規事業にも進出している。

代表者:大内莊久
資本金:8,000万円
所在地:東京都港区三田二丁目7番13号
TEL:TTNET 03-4431-1000/NTT 03-3451-6240
設立:1951年2月1日

導入の背景

 

2003年4月

GISエンジンの選択に向けて検討を開始

2003年6月

GISエンジンとしてSISを採用

2003年8月

「至仏山調査基盤システム」を導入
【経緯】至仏山は、長年にわたる過剰な登山利用による植生破壊、登山道の裸地化が問題となっていた。歩道整備や植生復元作業が行われたものの成果は思わしくなく、環境破壊が深刻な状況にあった。

このような状態を受け、平成14年「至仏山保全緊急対策会議」が設置され、基本方針が策定された。この方針に基づき、至仏山の生態学的調査を実施することが決定。研究者や専門家から成る専門委員会により、至仏山の自然環境や利用実態に関する調査を実施し、その調査結果をもとに植生復元の手法や利用ルールに関する計画を策定することになった。

自然環境を総合的に診断するには、植生図、地質図、航空写真、登山利用状況といった関連データの取り込み・重ね合わせを行い、統合データをもとにした考察が必要。そこで、SIS Map Managerをベースに、様々な調査データをレイヤ分けし、統合化するシステムを開発した。至仏山調査基盤システムは、調査データをもとにした保全対策の検討、施策策定に役立っている。

2004年10月

「尾瀬山の鼻ビジターセンター情報展示システム」を導入
【経緯】群馬県が所有、財団法人尾瀬保護財団が管理する「尾瀬山の鼻ビジターセンター」リニューアルにあたり、職員による自然解説業務の運用と一体化したデータベースシステムとして開発。ビジターセンターの入館利用促進、利用者の自然に対する理解および尾瀬の保全・自然環境の重要性への認識を促す一助となることを目的としている。

 

導入の決定要因

 

導入にあたっては、以下の点が高く評価された。

対応するデータフォーマットの種類が多い点

ラスタ-図面の取り扱いが可能な点(レーザープロファイラの使用を前提としていたため、幾何補正機能を装備している点を評価)

dxf、shpファイルの入出力が可能な点

必要な機能を装備している点(3次元表示、任意間の縦断表示、座標表示、計測機能、作図機能、印刷機能、環境設定、情報管理)

CADの機能が充実している点

カスタマイズが可能な点

サポート体制がしっかりしている点

 

運用状況

 

至仏山調査基盤システム

(至仏山の保全対策についての調査を群馬県から受託された(財)日本自然保護協会と共同で開発したシステム)

2003年8月の導入以来、至仏山調査で収集されたデータをシステムに取り込んで活用している(年中稼動)。また、重ね合わせた図を見たいという要望が多く、東京電力本社用地部では、閲覧用にフリービューア「SIS Map Reader」が活用されている。※至仏山調査プロジェクトについては、2006年8月、NHKの番組(サイエンスZERO)でも紹介された。

 

尾瀬山の鼻ビジターセンター情報展示システム

(尾瀬付近の花や動物等の情報を展示/管理するシステム。植物や開花状況の資料「職員が提供する花情報」をGISで作成、表示する。情報展示用のタッチパネルは、尾瀬山の鼻ビジターセンター(群馬県が管理)に設置されている。)

2005年、本格的に稼動開始。以来、毎年、開山時期中稼動している。

尾瀬山の鼻ビジターセンター
タッチパネルが設置された展示コーナー

 

システム構成

 

至仏山調査基盤システム

SIS Map Managerを使って、以下の地図を重ね合わせている。

【ベースマップ】
数値地図25000(地図画像・空間データ基盤)、森林基本図

【レーザープロファイラによる計測/等高線図】
調査にあたり、詳細な地形図が必要だったため、レーザープロファイラにより1m間隔の等高線図を作成。

レーザープロファイラによる計測/等高線図

【空中オルソフォト】
レーザー測量と同時にカラー写真撮影を行い、オルソ化処理をしたもの。上記の等高線図と重ねることで、地形がはっきりと分かる。

空中オルソフォト

【登山道測量】
登山道の中心線約3.5kmを測量し、約50m毎に4級基準点を設け、現地にも標識を設置。木道、階段等も図示。

登山道測量

【ラジコンヘリによる低高度空中フォト】
ラジコンヘリコプターを用いて、対地高度約80mから地表面を撮影。解像度は10〜50cmである。

ラジコンヘリによる低高度空中フォト

【山の住所(50mメッシュ)】
登山道上を問題/対処別に区分するための区画として設けたもの。地域基準メッシュ(3次メッシュ)を縦横20等分することで作成した。( 山には住所がなく、調査にあたり、「番地」のようなものが必要だったため。)

山の住所(50mメッシュ)
 

尾瀬山の鼻ビジターセンター情報展示システム

尾瀬山の鼻ビジターセンター情報展示システム 構成図

【閲覧者側】
・タッチパネルを使い、htmlの画面上で操作し、必要な画像を表示することができる
(htmlの画面は管理者である尾瀬林業が作成。閲覧者はデータ編集不可。)

タッチパネルによる閲覧操作
調査情報検索ダイアログ

タッチパネルによる閲覧操作

調査情報検索ダイアログ

【管理者側】
・調査データを記録することができる
・閲覧用の画像ファイルを作成することができる

調査情報入力ダイアログ
 

調査情報入力ダイアログ

 

 

導入効果

 

至仏山調査基盤システム

システムの導入により、複数の調査チームが収集したデータを蓄積し、まとめる作業(データの統合化)が簡単に行なえるようになった。また、蓄積した調査データをレイヤ分けし、重ね合わせることで、検討材料としての調査データを視覚的に提供できるようになった。(各調査データをもとに、実態が一目で表示できる。)

 

尾瀬山の鼻ビジターセンター情報展示システム

従来は、尾瀬山の鼻ビジターセンターの来館者向けに、職員が手書きで図を作成していたが、システム導入によりその作業が軽減された。

 

今後の展望

 

長年の国立公園管理実績を活かした「自然環境管理システム」、大規模電力設備工事・管理実績を活かした「緑地管理システム」の提供を手がけてきた尾瀬林業は、これまでのシステム構築のノウハウを緑化部門での公園管理事業に活かし、トータルな環境緑化提案の中に組み込んでいく考えである。

 

【尾瀬国立公園】

2007年8月30日、日本で29番目の国立公園として「尾瀬国立公園」が指定された。新規の国立公園指定は、釧路湿原国立公園以来、20年ぶり。尾瀬国立公園は、群馬県、福島県、新潟県、栃木県の4県にまたがる山岳地に位置し、尾瀬ヶ原、尾瀬沼と百名山・至仏山、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、田代山・帝釈山などから成る。総面積は37,200ヘクタール。

尾瀬の風景

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