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国内導入事例 首都大学東京 様

首都大学東京 都市計画検討のベースとなる歩行者の動きの分析・研究にSISをフル活用

首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 建築学専攻 客員研究員
日本学術振興会 特別研究員 佐藤栄治 様

安全・快適・魅力的な建築都市空間を創出していくための研究を行っている首都大学東京大学院都市環境科学研究科。特別研究員の佐藤氏の研究室ではGISを導入し、より広範囲にわたる地域データの処理、分析をスピーディに行い、都市計画のための詳細資料作りに大いに役立てている。

【首都大学東京プロフィール】

都立4大学統合によって誕生した首都大学東京では、「都市環境の向上、ダイナミックな産業構造を持つ高度な知的社会の構築、活力ある長寿社会の実現」の3つのキーワードをもとに、大都市東京ならではの都市に立脚した教育研究に取り組んでいる。

創立:2005年4月
所在地:〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1
TEL:0426-77-1111(代表)

 

導入の背景

 

都市計画を、たとえば行政など計画する立場から考えると、ユーザーである住民や来街者の実態が抽出しにくい。逆に、住民参加型の都市計画などによってユーザーの声を反映させる場合にも、客観的な判断の基準がないとユーザー間で混乱が生じてしまう。そこで都市の現状を話し合う前段階として、数値に基づいた資料を作り、都市の中で人がどう動いているかを見ようということで本研究がスタートした。

歩道、歩行路上の障害物、ペデストリアンデッキなどを把握し研究するには詳細な分析を行う必要があったため、そのためのツールとしてGISの導入を決定した。

 

導入の決定要因

 

歩行者の動きを分析するには、歩道、階段、スロープ、ペデストリアンデッキなどの詳しい状況を把握する必要があった。SISの場合、市販の「歩行者ネットワークデータ」(昭文社提供)に対応していたため、データを変換することなしに直接読み込め、すぐに使えるというメリットがあった。

また、アクセシビリティの研究において「距離計測機能」は非常に便利で、分析にも重要な機能である。GISがない状況では、マップを作ってCAD上で計測を行うということになるが、距離計測機能を持ったGISがあればそういった作業は不要。データを取り込めばすぐに分析を開始できる。この距離計測機能を備えているほか、拡張性が高く、多フォーマットに対応しているという点から、SISの導入を決定した。

運用状況

 

<東京都電子地図データ/歩行者ネットワークデータを使用した基本的なデータ分析>

  • データの統合
  • 対象地域の地図作成
  • 地形データの作成
  • 距離計測ツールによる歩行者経路の設定

<機能拡張>

SISをベースにして、地形データと設定した歩行者経路で歩行負荷を導入できるフォーマットに書き出す機能拡張ツールの開発をインフォマティクスに依頼。現在、そのツールを使って研究を行っている。

研究風景
地形抵抗の力学的換算定義   地形からの抵抗の経路への導入方法

      地形抵抗の力学的換算定義

  地形からの抵抗の経路への導入方法

佐藤氏の研究論文概要「居住者の行動領域と施設の利用圏域を反映したアクセシビリティを基準とする公共施設サービスネットワーク再構築の提案」はこちら

【関係論文】

■佐藤栄治、吉川徹 「Accessibility to Community Facilities Considering Topographical Features and Changes in Physical Strength by the Age of Residents」、International Symposium on Urban Planning 2005 韓国・済州市、梗概集、pp.207~218、2005年

 

■佐藤栄治、吉川徹、山田あすか「地形による負荷と年齢による身体能力の変化を勘案した歩行換算距離の検討 −地形条件と高齢化を勘案した地域施設配置モデル その1-」、日本建築学会計画系論文集、No.610、12月号、2006

     

SISを利用した分析作図例

 

 

標準歩行速度4km/hの力学的換算距離による対象地区の歩行距離帯   中心地区ごとの後期高齢者の換算距離歩行帯

標準歩行速度4km/hの力学的換算距離による対象地区の歩行距離帯

 

中心地区ごとの後期高齢者の換算距離歩行帯

 

導入効果

  • データ処理が格段にスピードアップ(1ケ月半から2ケ月かかっていたデータ処理が1週間程度で処理できるようになった。)
  • 立体的な都市空間の分析が可能になった。

今後の展望

 

現在、狭い地域の歩行者ネットワークを使った都市空間の研究を行っているが、たとえば、郊外のニュータウンでの施設配置やコミュニティバスの路線を計画する場合、ベースになるのは「徒歩」であり、それを研究するには広域にわたる分析が必要となってくる。

しかし、広域の分析となるとデータ量が膨大になるため、データ処理が高速でないと研究の実現が難しい。このため、広域データの処理がスピードアップするよう、さらに機能拡張の開発依頼を検討している。

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