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導入の背景
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環境都市工学科では、「環境都市」実現のために必要な要素技術「環境創造エンジニアリング」と、それらを総合的に利用・制御し計画・設計する技術「環境創造プランニング」の両面から教育・研究を行っているが、建設、都市計画、環境関連分野で貢献できる人材の育成にはGISの基礎知識が不可欠であると考え、GISを利用した授業を開始した。
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学習目標
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地理情報システム(GIS)についての基礎知識とソフトウェアの操作方法を習得するだけでなく、GISを活用した分析力や表現力を高め、最終的には専門分野の問題解決手段の1つとして活用できるレベルまで到達することを目指した。
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授業内容
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1回90分の授業で「講義」、「実習」を組み合わせて行った(表1)。まず、GISの原理、用語、機能など一般的な解説の講義を行なった後、実習で実際にGISソフトを操作。2004年度までの授業は、GISの一般的な機能や概要の解説を行なう「講義」と、テキストに沿って操作を行う「実習」で構成されていたが、「テキストを見ながら操作しているだけで手順を覚えていないことが多く、身についているかどうかが不安」「実習は解答を見ながらやったが、何のためにやっているのかわからない操作があった」などの意見があったため、2005年度からは、受講者自身が復習しつつ自分の理解度を確認できるよう「練習問題」を追加し、問題に取り組む時間を設けた。
「練習問題」は、「講義」「実習」で扱った内容だけで作業できるレベルとし、受講者が積極的に興味を持って取り組めるよう問題設定にも留意した。対象地域は関西地方や大阪市など馴染みのある地域とし、データは防災、気象、ヒートアイランド、高齢化問題などに関するものとした。
第1回、第2回の授業では、ガイダンス、コンピュータの仕組み、ファイルの階層構造について簡単な説明を行なった。第3回以降の計11回の授業では、独自に制作したテキストに沿ってGISの授業を進めた。
教材のテキストは担当教員とインフォマティクスが共同で作成した。通常、大学の講義で使われる教科書はGISの原理や一般的な機能の解説に重点が置かれ、特定のソフトの操作方法については記述がないため実感が乏しくなりがちである。一方、特定のGISソフトの操作マニュアルやベンダー主催の講習会では、コマンドの説明や操作方法のみを扱ったものが多く、問題解決の過程でどのように活用すればよいのかがわかりにくい。また、操作マニュアルにはソフト独自の用語や解釈が含まれているため誤解が生じやすい。こういった双方の問題点を授業内容や教材に反映するとともに、GISが都市計画や環境計画における有用な問題解決手段であることが実感できるよう、練習問題も具体的な内容にした。
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章名 |
講義 |
実習 |
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はじめに |
ガイダンス/GIS概論/コンピュータの基礎知識
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第1章 GISとは
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GISとは/GISの機能と歴史/主なGISソフトの紹介
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SISの起動と終了/地図の読み込みと表示操作/図形の選択方法
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第2章 投影法とレイヤ
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座標系と地図投影法/オーバーレイとは/投影法とレイヤ
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SISのファイル構成の確認/ファイルの作成/レイヤの表示切り替え操作/投影法、座標系の確認と設定
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第3章 GISで扱うデータ
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ベクターデータとは/ラスターデータとは
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ラスター・ベクターデータの違い/ベクターデータの作図
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第4章 地図データの利用
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利用可能な地図データ |
地図データの読み込み方法 |
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第5章 属性
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属性とは |
属性の確認/属性の付加
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第6章 検索
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条件検索とは/幾何学的検索とは
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条件検索/幾何学的検索
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第7章 主題図
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主題図とは |
主題図の作成/主題図の編集
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第8章 印刷
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印刷について |
印刷イメージの作成/印刷イメージの編集
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第9章 データベース
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データベースとは/データベースの利用
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データベースの接続/データベースの利用方法
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第10章 トポロジー
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トポロジーとは |
トポロジーデータの構築と利用 |
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第11章 空間解析
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GISを使った解析例 |
水害時を想定した避難場所の空間解析 |
2004年度と2005年度の授業内容の大きな違いは、「練習問題」を追加した点とテキスト内の操作説明に図を増やした点であるが、2005年度のアンケート結果を見ると、全体の4割近くが演習の内容に大変興味を持ち、9割近くが演習の内容に満足していると回答している。また、2004年度と2005年度のアンケート結果を比較すると、演習内容に対する興味と理解度の評価が高くなっている。特に、2004年度に14%の受講者が「ほとんど理解できなかった」と回答していたが、2005年度には0%に減少しており、受講者全体の理解度が向上していることがわかる。
作成した教材が書籍として出版されました。詳しくはこちら
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| 練習問題:学生による提出課題例 |
最終課題1
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最終課題2
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今後の課題
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環境都市工学科1回生という早い段階で実践的な専門科目を履修させることで難しい点もあるが、教材や演習問題設定を工夫することにより十分理解できる内容になり、演習を通じてGISさらには専門分野への興味を喚起する効果も期待できる。現行のカリキュラムではGISを使った演習科目が他になく、1〜4回生の間に継続的な学習ができていないものの、GISを活用した卒業研究は徐々に増えている。
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