東北での3Dインタラクティブ コミュニケーションツール
の普及に向けて!
スケープデザイン株式会社代表取締役 遠藤隆夫 氏
杜の都仙台を拠点とし、建築・土木・都市景観のデザイン、プレゼンテーション、シミュレーションなど、地域に密着した幅広いデザイン業務を行うスケープデザイン株式会社。3次元設計コミュニケーションシステム「NavisWorks」を積極的に活用いただき、様々な分野での利用法を開拓されている。さらに、作成したコンテンツを広範囲に利用するには幅広い連携が不可欠ということで、各方面にNavisWorksを推薦していただくなど、地元東北地方におけるナビゲーションツール普及の先頭に立って活躍されている。
その具体的な内容について代表取締役の遠藤隆夫氏に伺った。
スケープデザイン株式会社 プロフィール
1976年設立。1989年法人化。設立当初は建築、インテリア分野のデザイン、パース業務が中心だったが、現在は建築以外にも、土木、都市計画、景観、二次製品設計、Webなど幅広い分野において、CAD、CG、各種VR、Web3D等のリッチメディアを駆使して、デザイン、プレゼンテーション、シミュレーションなどの業務を行っている。最近はリッチメディアを活用したデジタルアーカイブ構築やeラーニングの引合も多い。ボランティアで東北の観光案内サイトを運営するなど、地域に貢献した活動も行っている。
インタラクティブなナビゲーションツールを求めて
「これまで、CAD、景観生成、CG、アニメーション、Web3Dなど様々なソフトを使いこなしてきましたが、最も大きな問題は、都市モデルや特殊な施設など大量の3Dデータを扱う場合に、PC上で軽やかに、そしてインタラクティブにナビゲーションできるコミュニケーションツールはないのかということでした。」(遠藤氏) その頃登場したのがインフォマティクスのNavisWorks。大量の3Dデータに対して、インタラクティブな3Dコミュニケーションをビジュアルにしかも簡単に行えるこのシステムを、スケープデザインでも早くからご注目いただき、仙台市内の某都市計画で使用するために、2001年に導入していただいた。
NavisWorksの幅広い活用分野
導入後はNavisWorksを様々な分野でご利用いただいている。その主な活用事例を紹介しよう。
1. 仙台市内の某都市計画
スケープデザインで初めてNavisWorksをご利用いただいた計画である。通常の都市計画では、計画図面などの他に、大量のスケッチパースやCGパース、そして高価なアニメーションなどを使って作業が進められるところであるが、ここでは関係者間コミュニケーションや住民説明のために3DコミュニケーションツールとしてNavisWorksが使用された。
<第1段階> 現況の都市空間情報をリッチコンテンツとして構築する
- 現況の都市モデルの3Dを構築。
- 実写による全天空型のQuickTimeVR(バーチャルリアリティ)を製作。
- 1,2,を航空写真(GIS)などと組み合わせてNavisWorks内に埋め込む(リンクを貼る)。
「計画地及び周辺の客観的かつ高品質な空間情報を関係者の皆様に提供できました。」(遠藤氏)
<第2段階> 計画案の3Dデータを作成する
- 計画案の3Dモデルを作成
- 1.をNavisWorksに読み込み、色の設定、各計画案の入れ替え、ビューポイントの設定、アニメーションの設定等を行う。(NavisWorks Roamerを持たない関係者用にAVI形式の簡略なアニメーションも作成。)
「NavisWorksをまさにビジュアル3Dコミュニケーションツールとして利用することによって、関係者間の計画案の確認、検証、調整をインタラクティブに行うことに成功しました。」(遠藤氏)
2. 仙台市中心部の都市モデル構築
都市空間情報の新しい構築の手法や活用の提案のために、仙台市役所、宮城県庁を含めた仙台市中心部の都市モデルを構築。高次元の利用を想定し、NavisWorksと実写VR、Web3D、GIS等を連携し、都市計画はもちろん、観光案内やイベント案内地域活性化などへの利用やデジタルアーカイブとしての活用も検討されているそうである。ちなみにこのWeb3Dはスケープデザイン、インフォマティクスのWebサイトから体験できる。
さらに、このようなコンテンツを広範囲に活用するには、商工会議所や街づくり団体、自治体、その他各種団体などとの幅広い連携が必要であるということから、各方面にNavisWorksの利用を勧めてくださっている。
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NavisWorksで表示した仙台市中心部のモデル画像例 データ提供 スケープデザイン株式会社 |
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3. 土木建造物
ダムなどの景観も含めた各種シミュレーションにもNavisWorksが活躍している。
「現在はある程度計画が決まってからNavisWorksを利用していますが、今後は初期計画段階から活用して、さらに様々な付加価値を出していきたいと思っています。」(遠藤氏)
4. ニュートリノ観測装置「カムランド」
東北大学ニュートリノ科学研究センター(株式会社セント)からの依頼で行ったCG製作業務である。単にデータを作成してレンダリングするだけでなく、3Dデータの有効な二次利用を目指し、作成したデータをNavisWorksに取り込んで、関係者間で装置の構造、ディテール、イメージを確認できるようにした。これによりNavisWorksの認知度も大いに向上したそうである。
「今後、このような複雑な装置については、eラーニングなどにおいて、インタラクティブ3Dがどんどん利用されていくでしょう。」(遠藤氏)
なお、このCGのAVIのムービーデータはWebで公開されている。
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NavisWorksで表示したカムランドのモデル画像例 データ提供 スケープデザイン株式会社 |
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さらなる活用の可能性を目指して
スケープデザインでは、さらに今後以下のようなプロジェクトにNavisWorksを積極活用していくとのことである。
1. 都市計画、町づくり
大規模なデータを扱うプロジェクトで引き続きNavisWorksを活用する。また、Web上でのコラボレーション、デジタルアーカイブ、eラーニングでの活用にも積極的に取り組む。
2. 松島パークホテル復元プロジェクト
スケープデザインは、松島在住の大和晴彦氏を中心とした「松島パークホテル」復元プロジェクトに参加している。松島パークホテルは、大正2年に営業を開始した東北初のリゾートホテルである。設計にあたったのは、世界遺産に登録された広島の原爆ドームも設計している、チェコ出身の建築家ヤン・レツル。和風と洋風が融合した見事なデザインが松島の景観に溶け込み、一度見たら忘れられない名建築であったが、1969年に火災により焼失している。
「歴史的遺産、景観重要建築物、推薦産業遺産などの記録や復元にもNavisWorksが活用できます。」と遠藤氏。
NavisWorksを使って構造や各種ディテールも含めた建築物全体の 3Dモデルを構築するが、それだけにとどまらず、関係者間の情報交換、広報活動、デジタルアーカイブとしてのDB化、建築教育や一般向けのeラーニングにも幅広くNavisWorksを利用していきたいとのことである。
「『復元』というキーワードを元にNavisWorksの新しい活用の仕方を提唱していきたいと思います。」(遠藤氏)
3. 3Dモデル操作によるビジュアルな建設工程管理
充実したAPIを使って多様なカスタマイズが行えるNavisWorks。従来の建設工程管理表等と連携させ、ビジュアルな3Dモデル建設工程管理として活用することも検討中だそうだ。
4. マンションなどの販促ツールとしての活用
「マンションなどの大型物件では販促ツールとしても活用できるのではないか。」と遠藤氏。たとえば、各戸や全戸の平面図、断面図はもとより、室内のウォークスルー、外観のフライスルー、ベランダからの景観、カラーシミュレーション、周辺データも含めた都市景観シミュレーションなど、トータルな販促ツールとしての活用の可能性が広がる。
「NavisWorksのようなすばらしいツールは、今後、建築、土木、都市景観だけでなく、ありとあらゆるプロジェクトやシチュエーションで有効活用できると思います。ユーザーとしては、インフォマティクスをあっといわせるような創造的な発想で、どんどん新しい活用法を提案していきたいと思います。」(遠藤氏)
NavisWorksおよびNavisWorksロゴは、Autodesk社の登録商標です。





